オークション
あたしが意識を失っている間に、両親は病院に呼ばれ事故があった事を偽の警察官から説明させているらしい。


そして自宅へ戻っても大丈夫だという偽の診断をして、今こうして運ばれている所なのだそうだ。


「事故の相手としてオークションのスタッフを1人準備しました。


後日事故の謝罪として家に向かいますが、キッチリ演技指導をしているので安心してください」


そこまでしてくれるとは思っていなくて、あたしはなんだか申し訳ない気分になった。


あたしは自分の欲しい物を欲しいまま手に入れているだけだ。


「なにもかもしてもらって……ありがとうございます」


「あなたはオークションの上得意様なので、特別のサービスを提供していただきますよ」


スタッフはそう言い、上機嫌に笑ったのだった。
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