神恋~水神様に恋をした~


話しかけて来たのは小鬼くんたち。
手に持っているのは梅の入った小瓶。

これけっこう前に私たちで漬けた梅だ。

「これ、ヤタガラスの所に持っていって欲しいんだ。」


(絶対、ヤタガラスが嫌いだからだ…!)


「あ、あとこれも。」と渡してきたのは綺麗な和紙に包まれた純白の綿。

「この綿はヤタガラスの隣の住人に。」

その家に1度も訪れた事のない私は、今日で会うのが初めてになる。


「分かった、渡してくるね。」


小鬼くんたちも忙しいみたいだし、こう言うのは暇な私が引き受けた方が何かと効率が良い。


黒ちゃんのお散歩に羽織を貸してくれた白へのお礼の手紙などなど。

引き受けた依頼のためにやらなければならない事を早めに終わらせた私は、

置き手紙とともに屋敷を出る。


ヤタガラスさんの家までは良いけどその隣の人が。


(変に緊張してきた…、)

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