神恋~水神様に恋をした~
夫婦かと思った。
それにしても美男美女な姉弟だな。
私にも昔、お兄ちゃんとお姉ちゃんが居たからな~。
何だか懐かしい。
「お茶でも飲んで行って。」
屋敷の中へ入るように促される私は成り行きで、ちゃっかりお邪魔してしまっていた。
怖い妖怪じゃなくて良かった~。
「お、俺たちは、化け猫なんだ。」
突然、向かいに座るミサキさんがそんな事を暴露した。
化け猫か。
(あぁ、だから、耳に鈴が)
「お前は白様に仕えている者だろう。」
(え、別に仕えてはいないけど、)
何か噂に噂を重ねて、凄い事になってるな私の存在。
変に有名になってしまっているのだけど…。
でも、話すと長くなるから白に仕えている体で良いか。
いちいち説明するのめんどうだし。
「それにしても、噂通り水の良い香りがするんだな。」
その噂はちゃんと本物で良かった。
お茶とお菓子を持ってきてくれた鈴さんにお礼を言う。
「雪ちゃんだったかしら?」
「はい。」
「守られてるのね。」
ふふっと可愛らしく笑う鈴さん。
確かに私は、家族の依頼で白から守られて居るけれど。
(何だか意味深な感じがしたような)