神恋~水神様に恋をした~


「ぴす!!」

屋敷に戻ると、黒ちゃんがお出迎えしてくれる。

お帰りと言ってくれているのか、頭を足にすり寄せてくる。

ちょっとだけ猫っぽい所もあるよね。


今では黒ちゃんの定位置になっている私の頭の上。

私の頭には、黒い毛玉がいつも乗っている。

夕方くらいに戻る私はいつも白を屋敷中探し回る。

これは帰るのが少し遅くなった時にだけやる恒例行事だ。


白のお気に入り席である縁側、窓側には誰もいない。


(あ、居た。)


珍しく居間にいた白は寝ている、と思いきや、


「お前、獣の匂いがするな。」

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