神恋~水神様に恋をした~
さっきまであんな深い深い眠りに落ちていたのになぜ起きる!!
どうしよう、これじゃ怒られる。
家から追い出されちゃう、イヤだよ。
「あの、これは違っ……!?」
寝ぼけて居るのか起きているのか紛らわしい白は、私の腕を掴むと強引に引き寄せる。
(な、何だこれは…!!)
お涙頂戴プレイならぬお鼻血頂戴プレイか何かか?!
(お、おお、落ち着こう)
心をいったん落ち着かせ、白の腕から離れようと試みるものの、
腕を離そうとするたびに、強く抱き締められる。
(私は抱き枕じゃないよ~…)
と困惑するも、私の脳内はすでに彼女気分を味わっている。
「びゃ、びゃく…?」
「……んん、」
完全に寝ている。
どうしよう、今の白の格好に私を抱き締めているこの状態。
白が目を覚ましたら、
(完全にアウトだ…!!)
でも、もう何も出来ないし。
せめてお布団だけでも。
察してくれた黒ちゃんが、「ぴす、ぴす!」と布団をかけてくれる。
何てお利口さんなワンちゃん何だろう。
私、ここまで教えてないけど伝わるもんなんだな~…。
「ゆき…、」
「は、はい!!」
いっこうに返事が返ってこない。
白をチラリと見ると完全に夢の中らしい。
(白でも寝言って言うんだ…、)
寝言で私の名前を呼んでくれたと言う奇跡に早くも私の呼吸は乱れそう何ですが。
状態的にそれどころじゃないので。
朝になるのが何だか怖いけど、もうこうなってしまっては仕方ない。
現実を受け入れよう。
(でも、やっぱ怖い…)
ぎゅっと目を瞑って、無理矢理眠りにつく。