神恋~水神様に恋をした~
「姿を消してしまったのは、もう自分はそう長くはないと予期していたのだと言う事は誰でも分かります。
だけど、少し引っ掛かったのはその傷です。
申し訳ない何て気持ちだけで、傷を付けるはずがないんです。
そこで私が思ったのが、謝罪よりも彼はずっと“親友”であると言う証を死ぬまでに残したかったのではないでしょうか。
ミサキさんに、親友の証を残したかった。
自分との強い絆を永遠のものにしたかった、忘れてほしくないと強く願っていたのかも知れません。
きっと、ミサキさんの傷痕が今でも消えずに残っているのもその彼の強い願いからくるものだと思うんです。
……何て思ってみたり、ね。」
少し熱く語ってしまった。
ミサキさんとその親友がどれ程の仲だったかは知らないけど、直感的に伝わってきた思いが、そんな感じがしただけ。
話を聞いていたミサキさんは、私を見つめて黙ってしまう。
何か、言ってはいけない事を言ってしまったのだろうか。