神恋~水神様に恋をした~
逃げ出したいと思ったのも濡れ女が私に憑いているから感情がリンクしているって事か。
「雪をどうしたい?」
白の問いに私の口は勝手に動く。
「こいつの生き血が欲しい。」
(私の、血が?)
私の血は、確かに美味だとよく聞く。
でも、水神様の血が流れる私も清い物なんじゃないの?
食べる事なんて出来ないんじゃないの?
だって清い水は敵なんでしょ?
「聞こえるか、雪。
お前は人間と水神の血が半分だ。
俺のような純血ではない。人間の血も混じっているからこそお前を食す事が出来る。
純血の血を持つ、つまり純粋な水の力を持っている者を属に“清い者”とするのだ。」