神恋~水神様に恋をした~


私たちの住み処は秋の景色。
秋にすることでお母さんを思い出し、百人一首を詠んではお父さんを思い出してるんだって。

お姉ちゃんが教えてくれた。」


恋なんかしてなかったんだ。
詠む百人一首は意味がメインではなく、詠む事がメインだったんだ。


撫子さんはそうしていつも両親を忘れないように毎日思い出していたのか。


自分の傍にいるという事を常に感じたいと思っていたんだ。


「そっか。」


悲しい出来事に何と言って良いのか分からない。

だけど少し、家族を亡くした自分に対し、家族がまだ生きている撫子さんとカエデちゃん二人が羨ましかった。


「雪ちゃんは白さんの事どう思ってるの?」

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