神恋~水神様に恋をした~
だったら、そう言われてしまう前に自分から出ていった方が最善かもしれない。
タンスから、ずっとしまっていた高校の制服を取り出す。
「黒ちゃんは、ここにいる?」
白からもらった着物をたたみながら質問を投げ掛ける。
久しぶり着る制服は何だか新鮮だった。
着物を着ることに慣れてしまった今、制服はどこか遠い存在だった。
逆に制服を着ていた私は着物が遠い存在だったんだけどな。
「ぴす!!」
ひょいっと私の頭に飛び乗る黒ちゃんは、ついていくと言うように。
どこか、私を慰めてくれるかのように尻尾を振った。