神恋~水神様に恋をした~


少しだけ、自分の中に戸惑いがあった。

迎えに来てくれるかも知れないと言う淡い期待。

この人に拾われても良いかもしれないと言う気持ち。


「私を、拾って下さい…。」


傷心的な今の私にとって、誰かに拾われるのはもはや恐怖ではなく感謝だ。


例えどんな悪い妖怪でも、嬉しいと感じてしまう。


「俺は、朝霧(あさぎ)。」


だけどこの人は、優しい妖怪だ。
どこか包容力のある雰囲気。


「嬢ちゃんは?」

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