神恋~水神様に恋をした~
ついた所は、まるで江戸町のような。
昔ながらの建物がたくさんあった。
だけど建物よりは自然とか神社などがほとんどで。
町行く妖怪たちは、彼を見るなり深々とお辞儀をする。
その光景を見れば、上級の者なのだとすぐに分かる。
綺麗な簪(かんざし)で1つに結ってある長い銀髪は光に当たるたびに綺麗に輝く。
少々水色がかった着物に、白い羽織りを着ている姿はあの時見た姿と全く同じだった。
瞳の色は私と同じだ。
いつ見ても、美しい人だな…。
その姿は男女関係なく誰をも魅了してしまうほど綺麗だった。
「ここが家だ。」
大きな屋敷には誰も住んではおらず、彼一人しか居ないのだと分かった。
一瞬、同じだと思った。
だけどそれはただの勘違いで、私と彼には大きな違いがあった。
「白様!!」