神恋~水神様に恋をした~
一人だけで住んでいることは確かだけれど、私と違って彼は一人ではない。
自分を必要としてくれる人がいると言う事。
「白様!人間が妖界(こちら)に来たと!」
「こいつの事だ。」
私を見る妖怪たちは、上から下までまるで品定めされているようで。
だけど、彼らは品定めをしているわけではなかった。
「お帰りなさいませ、雪様。」
皆が片膝を立てて口々に言った。
なぜこんな事を言われているかは分からない。
なぜこんな歓迎されているのかは分からない。
(何で、私の事を知っているの?)
「雪、こちらへ来い。」
「え。」
「置いて行くぞ。」
「は、はい。」
スタスタと歩いて行ってしまう彼を小走りで私は追いかけた。