神恋~水神様に恋をした~
白は、私を見るけど何も言わない。
見る瞳はやはり冷たかった。
「ちょっと今から出掛けなきゃいけないんだ。詳しい話は白から聞いてね。」
その言葉を聞いた白は、「行くぞ。」とだけ私に言って部屋から出て行ってしまった。
追いかける私は、白に聞いてみた。
「あの、びゃ…、」
「人間ごときが俺の名を呼ぶな。」
「ごご、ごめんなさい…。」
こ、怖い…。
白の屋敷に戻り、彼の部屋へ通された。
そして、「座れ」と一言。
冷たい眼差しが、私を見つめる。
だけど、私はその冷たい感情の裏に少しだけ温かな気持ちが隠されていることを何となく読み取ってしまった。
「低級ごときが、俺の心を覗いたな。」
(お、おお…怒ってらっしゃる…?!)
「少々、仕置きが必要か?」
意地悪くニヤリと笑って見せた白にどうしようもなくドキドキしてしまったのは言うまでもなく、
(で、でも怖い…)
「い、いえっ…ごめんなさい…!」
謝る私を見た彼は、少しだけ深呼吸をして私に告げた。