神恋~水神様に恋をした~


「俺ら妖怪は人間のように簡単に頼み事を引き受ける程優しくはない。

つまり、頼み事をすると言う事は何かしらの代償が必要なのだ。

この意味は、バカなお前でも分かるだろう。」


ば、バカって…。

でも、代償というくらいだから、安っぽい物じゃ引き受けてはくれないはず。

まさかとは思うけど、


(いやいや、そんな事はないでしょ)


「お前の家族は、自身の命と引き換えに雪を守れと俺に頼んできた。」


「でも、黒狐に食べられて…、」


「俺は妖怪や人間を食すような闇の妖怪ではない。あくまでそれは、闇の妖怪がする事だ。」


「じゃぁ、皆は黒狐に身を捧げる代わりに私をあなたに託したって事…?」



それ以上何も言わずに、あの冷たい目で見る彼は「そうだ」と言っているようだった。


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