神恋~水神様に恋をした~
「俺から離れてくれるなよ」
「え…、」
「昔の恐怖をまた味わいたいか」
「い、いえ!離れません!」
相変わらず冷たい言葉を投げかける白だけれど、優しい人だとやっぱり思った。
妖怪の世界へ来たのは初めてだから、分からない事がたくさんある。
早く、この世界に慣れたい。
「俺の屋敷は書物が多いからな。
部屋はここを共同するとしよう。」
白の部屋は2階に上がった広々とした和室。
横にある外にも出られる大きな窓は外の景色がよく見える。
「所で私は、どこで寝れば良いの?」
「悪いが布団は1つしかない。狭くなるが一緒に寝る他方法はないな。」
へ?一緒に寝るの?
布団1つしかないってそれはないでしょ。
どの扉を探してみても、やはり布団は1つしかなかった。
「嫌ならお前が使え。」
「でも、」
「お前とは違って俺は妖怪だ。布団がなくても寝れる。」
すると白は「出かけてくる、お前は家から1歩も出るな。」と一言言い残して出て行ってしまった。
忙しい人だなぁ…。
家から1歩も出るなっていわれても夜まで時間たっぷりあるし、暇だぁ~…。
(ちょっとくらい、良いよね?)