神恋~水神様に恋をした~


「その通りだ。」と私の心の声を読んだ白は生き生きとしている。

腹部を見れば、さっきまであった傷もなければ、染み付いた鮮血もない。


「さて、事の始末をつけようか。」


守るように片腕で私を抱く白。

彼が静かに振り上げた手からは一粒の小さな雫が現れる。

それはだんだんと大きな水の塊へと変化し、遂には黒狐を呑み込んでしまった。


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