神恋~水神様に恋をした~
■第3章
◇◇◇
妖怪の世界では、夜空は綺麗なんだなぁ。
人間界と違って、電気というものがないせいかとても暗く感じる。
今までずっと電気で過ごしてきたからな。暗いのには全然慣れない。
白から譲ってもらった布団は温かくて気持ちが良いけど、何だか少し罪悪感。
壁にもたれ掛かる白は気にしない様子ではスヤスヤと眠っている。
「ね、ねぇ。」
返事は返ってこない。
「起きてる?」
やはり寝てしまったのか。
「ねぇってば。」
「なんだ。」
「…っ…、」
お、起きてたんかい。
白は私を見る。言いたいことがあるなら早くしろと言いたげな眼差しで。
「あの、お布団やっぱり一緒に使いたいなって。」
「嫌だと感じていたのはお前だろう。」
「でもさ、これ白のだし。だったら私が布団なしで寝るし。」
「うるさい奴だ」とため息混じりに言った彼は躊躇することなく布団にもぐり込む。
瞬間、高鳴る胸の音は、うるさいくらいに脈打って。ドキドキする。
一緒に寝るなんて、やっぱり私にとっては毒だぁ~…。
「ねぇ、白。」
何も言わずに眠る白に私は喋りかける。
彼が隣にいることで、よけいに眠ることが出来そうにない私は、寝返りを打ち仰向けに寝た。
「もし私が妖怪になったらどう思う?」
もし、私が妖怪なったらどうなるんだろ。
て言うか、どうやったら妖怪になるの?
もし妖怪になったら白は私をどう思うのかな。
「もし、運悪く黒狐に連れ去られたら、白はどうする?」
もし黒狐に連れ去られたら、白は私を見捨てるだろうか。命に代えてでも私を助けるだろうか。
「もし、白のお嫁になるって言ったらどうする?」