神恋~水神様に恋をした~
「だけど、使いすぎは身体に毒だよ。」
気を付けろと言いたいんだろうか。
きっと、今の私の力だとこれくらいの傷しか癒すことが出来ない。
だけど、白や水湖様だったら大きな傷も癒すことが出来るのかも知れない。
「雪、良い機会だから忠告するよ。
黒狐はね、元は明の妖怪だったけどあることがきっかけで暗黒の妖怪へと変化したんだ。
変化したきっかけは、強い憎しみと恨み。」
憎しみと、恨み…。
あの不気味笑顔から感じるものは、そういう感情から来るものなんだろうか。
「憎しみと恨みはどんな闇の力よりも邪悪なんだ。
いくら、元は明の世界にいた妖怪でも決して心を許してはならないよ。良いね?」
前に、白からも似たような事を言われた気がする。
もしかして、何かの未来を予知してそんな事を言っている?
(そんな出来すぎた話、さすがにないか)
「分かりました。」