神恋~水神様に恋をした~
■第4章
部屋に戻ると白が戻っていた。
後ろ姿を見ただけで、こんなにドキドキする。
「びゃく!!」
私をチラリと見た彼はいつもの淡々とした口調で言った。
「お前、力を使っただろ。」
「あ。」
え、何でバレちゃうんだろう。
小鬼くんの傷治しただけなのに。
そんな大きな力は使ってないのに。
ため息をもらした白は持っていた書物に視線を戻した。
本当に、窓に寄りかかるのが好きだよね。
「あ、あのね!梅酒とか梅干しとかたっくさん漬けてきたんだよ!」
「ほら!」と風呂敷で包んである小瓶を白に見せる。
「礼を言う、棚にしまっておけ。」
(冷たいなぁ…、)
想像してた反応と違うから、何かちょっと傷付いた…。
食べてくれると思ったのに、しまっておけって言われる何て…。
「白、一緒にお花見に行こう?」
もしかしたら、力を使ってしまった事を怒っているのかも知れない。
行ってくれないのかな…。
「一人で行ってこい。」
そうですよね。
「遠くへ離れてくれるなよ。匂いが薄まる。」
「…うん。」
一緒にいってほしかったなぁ~…。
今さら傷付いてどうするの、白はもともとあんな感じじゃん。
行ってきますも言わずに私は外へ出た。