神恋~水神様に恋をした~
「あのね、お爺さん弱ってて。
私が桜の木に手をあてたら気持ち良いねって言ってくれて。
そしたらお爺さん元気になったよ!!
白のお話もちょこっとした。」
初めて白の驚いた顔を見た。
元気になったと聞いて、私を見つめてくる。
「時桜は、歩いていたか?」
「歩くも何も、一緒に桜の木の上でお話したんだよ?
すっごく生き生きしてたぁ!!」
何も言わず私の頭を撫でる、今の白はいったいどんな感情なのか分からない。
「お前の力は底知れないな。」
我に返ったように自分の部屋へと戻っていく。
あのお爺さんが、この妖怪の世界を作り上げたんだ。
だからなのか、あの祠には数え切れないほどのお供え物があった。