神恋~水神様に恋をした~
終わったと言う合図なのか、白は私の頭を撫でた。
最近の白は、私の頭を良く撫でてくれる。
(仲良くなれた証拠かなぁ…)
私にとってそれは、ドキドキするものだけど安心もする。
私を撫でる白の手は大好きだ。
身なりを整え布団へ体を戻す。
1度深い眠りについてしまうと、なかなか寝付けない。
熱で火照った顔はとても熱い。
「雪、何か欲しいものはあるか?」
「…っ、」
初めて聞いた、あんな甘くて優しい声。
私の知らないその声で、優しく囁く白にどうしようもなく胸が高鳴る。
「えっと、」
(白が欲しい…、)
何て絶対言えない。恥ずかしいもん。
「あるならハッキリ言え。」
「特に、何も…、」
(う、嘘ついちゃった…!!)
本当はいっぱいあるけど、つい嘘ついちゃった。
白に傍にいて欲しいし、って私欲しいのいっぱいもないじゃん。
あ、でも、嘘はダメだ。ちゃんと言わないと。
せっかくの優しい白を堪能したいかも。
「ち、違くてね。あのね。」
「何が欲しい?言ってみろ。」
胸がきゅーっと締め付けられる。
こんな優しいのは、病人の特権だ。
「私は、白にずっと傍に居て欲しい…です。」
一瞬、白が微笑んだ気がした。
「分かった。だが少し、待っていろ。」
瞬間伝わる、柔らかくて心地良い感触。
白の唇と私の唇が合わさる感触。
(…く、唇?!)