神恋~水神様に恋をした~
私を地面へと投げ倒す。
(な、何て雑な…)
風邪である今、抵抗する事も出来ず、ましてや起き上がろう何て気力もほとんど無かった。
「ここは、あやつには見つけられない。」
白の事を言ってるんだろうな。
なぜ、見つける事が出来ないか。
それは、私も何となくは気付いていた。
「今のお前には、匂いと言うものがついておらんからだ。
なんだ、お前。体調が良くないのか。
それはそれは、嬉しいことだ。」
風邪の私は、体力がない。
つまり、白の匂いを留まらせる力も今は備わっていない状態で。
簪とか着物があればどうにか出来たかもしれないけど。
今の自分は無力だ。
「大人しく食われろ。」
ツクヨさんは、殺すような目で睨み付ける。
昔はあんなに綺麗だったのに。