神恋~水神様に恋をした~
「ツクヨ、闇の住人になり知性も失ったか。救いようのないバカな蝶だ。」
(嘘、何で白がいるの)
だって私、何も白の物を身に付けていないし。
それに、匂い何てしないのに。
「白、どうしてお前がそこに居る!」
近付きながら喋る彼はやはり冷静で。
焦る所見たなんて、私が大蛇の所で倒れたくらいだ。
「こいつが着ているのは俺のやった物だ。何だ、知性だけでなく嗅覚まで失ったのか?
それに俺は、匂いだけでしか判断が出来ない低級者か?
ふざけてくれるなよ、ツクヨ。」
見たことがない、目付きだった。
あれは、殺す目だった。
それに、私に匂いがなくても白は私を見つける事が出来るんだ。
上級妖怪だもんね。
匂いはただのお守りみたいな感じか。
多分、今の白はツクヨさんにかなり怒ってる。
「負の感情に支配され、闇の者となったお前はもう救うことなど出来んな。」
ツクヨさんとの距離は、わずが3センチ程。
殺気立っているオーラを放つ白はかなりイライラしているようだった。
「失せろ。」
瞬間に全てが粉々になり、砂のようになってしまったツクヨさん。
何もしてないのに。
今の一瞬だけで、一体何をしたの?
ツクヨさんは死んでしまったの?