神恋~水神様に恋をした~
涙と共に溢れた感情は、とても悲しく胸に突き刺さるような痛みを感じさせた。
「ツクヨには、生まれ変わるチャンスを与えた。
何に生まれ変わるかはアイツ次第だ。
また、蝶として生きるか、人間か。」
ツクヨさんを殺めた白。
その裏にはちゃんと、白なりの温かなものがあった。
殺したくてあんな事をしたんじゃない。
生まれ変わるチャンスを与えたんだ。
瞬間に、胸の高鳴りが私の頬を火照らせた。
抱き締めたいと思う気持ちが私を動かした。
何も言わずに抱き締められたままでいる白は歩き続ける。
(あ、)
一匹の美しい蝶が空を舞っていた。
「ツクヨさん、蝶に生まれ変わったんだ。」
気づけば、もう空は暗く。
夜空に浮かぶ半月と空を飛ぶ蝶のコントラストは美しかった。