神恋~水神様に恋をした~


「どうするんですか?」


そして、誰よりも予知能力が優れている。

今のこいつの心の中には、黒狐が浮かんでいる。

満月が近いと言う事は、


「もうそろそろで、黒狐が来ますよ。」


そう言う事になる。

雪の一番の強敵は黒狐だが、その周りにいる細々した低級妖怪が時折邪魔をする。

そしてほんのたまに、道を外れ闇の者と変化した妖怪が雪を食しにやって来る。


それくらい雪は、闇の妖怪にとって美しく美味な存在だ。


「黒狐は危険ですよ。」


分かっている。その時はその時だ。

しかし、黒狐は雪を拐ってもなかなか食さないはずだ。

それは確信を持って言える事だからな。

その理由は、1つしかない。


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