神恋~水神様に恋をした~
■第8章
黒ちゃんがこの家に来てから、私の毎日はとても楽しい。
遊び相手をしてくれない白は暇さえあれば書物を片手にしている。
(あんなのばっか読んで退屈にならないのかな…)
なんて思ったりもする。
黒ちゃんは最近になって、やっとお手を覚えたらしい。
「黒ちゃんこれ取ってきて~!」
棒切れを投げると「ぴす!」と一声。
すぐに棒切れを取りに行ってくる。
お利口さんな上に賢い何て…!!
私の育て方が良いのかな!!
お庭で黒ちゃんと遊んでいると、よくヤタガラスが構いにくる。
正直邪魔だけれど、黒ちゃんはかなり楽しんでいる様子で。
(なついてる…)
ヤタガラスは自身が黒いせいか、黒ちゃんからは同類だと思われているらしい。
だから、ヤタガラスといる時の黒ちゃんは何だか強気だ。
「僕、雪ちゃんに会いに来たのに。いつもこのワンちゃんに邪魔される~。」
黒ちゃんから逃げるヤタガラス。
おいかけっこ状態なせいで、これも立派な遊びと化している。