神恋~水神様に恋をした~
神の子を巡って、つまり私を巡った醜い妖怪の争いが起きたそうな。
私たち家族の護神は“水神様(みずがみ)”と言って、水を操る妖怪だそうだ。
それは、どの妖怪よりも美しくそして強力な力を持っている妖怪。
妖怪の世界で言う上級妖怪だそうで。
そのおかげもあり、私たちは繁栄していった。
きっと、小さい頃に湖で会ったあの妖怪は水神様だったのかも知れない。
ずっと、ずっと昔の事。
水神様に恋に落ちた若い女性が、水神様に嫁いだそうだ。
その頃から、水谷家は妖怪の血が通っている。つまり混血と言う事になる。
そうして1万年に1度生まれる子は、どの人よりも強力な妖怪の力を持っていて。
水神様の血が多く流れているため“神の子”と大切に育てられるそうだ。
そんな強力な力を持っているせいか、私の目はどこか透き通っていて青い。
神の子だけあり、私は他の家族よりも水の力が強いそうだ。