神恋~水神様に恋をした~


『死んじゃやだぁ~…!!』


泣く彼女が初めて降らせた雨だった。

その雨は決して気持ちの良いものではなく、悲しくてそして邪悪なもの。

憎い、憎い、憎い。

沸き上がる負の感情は自分の体をひどく痛め付ける。


――『いつか、サラちゃんの降らす雨が見たい。』


ルイくんの声だ。


――『サラちゃんの降らす雨はきっと綺麗だね。』


この声は、サラちゃんには届かない。
こんなサラちゃんをルイくんは望んでない。

綺麗な雨を降らす姿を見たかった。

綺麗な雨を降らして、笑顔になるサラちゃんを見たかった。


――『ずっと親友だよ。』


彼女を信じていたからこそ、親友だからこそ、守ることが出来た。

いつかは彼女が降らした雨で、一緒に遊びたかった。

サラちゃんには、いつも笑顔でいてほしかった。


――『サラちゃんの笑顔で雨を降らす事が出来る。』


その声は、泣き叫ぶサラちゃんには届かない。

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