神恋~水神様に恋をした~
上級妖怪って感情を隠すのが上手な者が多いし、それに秘密主義な者も多い。
話せるどうでも良い事でも明かさない。
白が最も良い例だ。
いい意味では、口が堅いと言う事になるけど。
◇◇◇
なかなか寝付けない私は縁側で一人月を眺めていた。
ヤタガラスさんは泊まるとか言っていたのに結局帰ってしまって。
(帰るなら一声かけてくれればよいのに…)
…満月が近い。
満月と言う単語を耳にするたび、私の心臓はドクリと跳ね、そわそわしてしまう今日この頃。
なぜか分からない。
最近よく見るあの夢がどうもちらつく。
日に日にリアルになっているし、ちょっとずつストーリーが進んでいく。
妙にリアルな所が、何だか不気味だ。
あの夢の中にいる私は、まるで私じゃないみたい。