幼なじみがあたしを〇〇の標的に!?
久しぶり!
中学生になって、もう1年も経ったのかぁ。
春休みのある日、そう思って1年を振り返ろうとするあたしの横で、母さんは一大ニュースを持ってきた。
「小夜悪いわね、引っ越しするわよ」
「えっ!?」
突然の発表に開いた口がふさがらない。
なぜならあたし月岡小夜(さよ)は、一度も引越した経験がないからだ。
13年間共に過ごしてきたマンションとお別れするのは辛い。
いや同じマンションに住んでいるということで、今までずっと一緒にいた幼なじみとの別れの方が辛い。
2人いて、2人とも男の子だが性別の差を気にする暇を与えてくれないくらい、楽しい時間を過ごせていたのだ。
それなのに……どうして突然…。
「次の登校は、隣町の学校だからね」
あたしがまだ母さんからの報告を受け止められないでいるというのにも関わらず、更に追い打ちをかけられる。
もうダメだー。