ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「こんな所で文句言ってても仕方ないし、持って行こか。」


「イヤやな…」


私たちが話しているのを、先生はジーっと見つめていた。


「先生…何ですか、その目は。」


「いやー。特に何も無いけど。仲良いんだね。」


メガネをクイッと持ち上げて、イジワルそうに笑う。


「そうですね。仲良しですよ。」


「そうやったん?初耳やわ。千音。」


春空もイジワルそうに笑う。


ほんと、こういう所この二人は似てると思う。


「春空君も大変だね。こんな子に振り回されて。」


「先生もですか?似てますね。俺ら。」


よく分からないけど、張り詰めた空気が流れ出す。


「春空、早く戻ろ!」


その空気に耐えられなくなって、逃げ出した。


「じゃあね。千音、気をつけて。」


何を気をつける事があるのか。


その隣で春空が小さく舌打ちをした。


(怖いよ……何か…)



< 203 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop