ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「分かりましたよ。一旦俺は退散します。」


「あっそ。」


覆われていた手を先生がいきなり離したから、目の前が真っ白になった。


「なっ!先生!どこ行くんですか!?」


手を掴んだまま先生はどこかに向かいだす。


「ちょっと黙ってついてきなよ。」


怒気を帯びた声で吐き捨てるように言った。


余裕の無い先生を見て、先生と春空はどんな表情で今まで会話をしていたのかすぐに分かった。


「ごめんなさい…先生、春空。」


小さく呟いても、誰にも届かないって分かってたのに。


自己満足で許してもらおうなんて、そんな卑怯な自分に腹が立った。

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