ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
やっぱり、今日の私はおかしい。


こんな事を言われても、全く動揺しなかった。


「あるって言ったら、春空は入ってくるの?」


「当たり前やん」


春空が寂しがる子犬みたいな瞳を向けてくる。


「そっか…」


春空の事はすごく好きだ。でも、その好きは…。






「無いよ。春空の入れるような隙間なんて。」





どう頑張っても、春空は私の中の先生には勝てない。


「ほんとに…ごめんね」


酷いことをしたと思ってる。思わせぶりな態度をとっておいて、こうやって突き放すなんて。


「後悔しても知らんからな」


「へ?」


「先生に捨てられても、拾ってやらんって事」


いつもみたいに明るい笑みを浮かべた春空の瞳は、遠くから見ても分かるくらい涙で滲んでいた。

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