ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「はーい。お前らとりあえず座れ。」


本鈴が鳴って、皆が一斉に席に着く。


「君らの担任をします。月丘光希です。」


「知ってるよー先生。」


かなり有名な先生は、自己紹介をするだけでも大変そうだ。


「まぁ、一応ね。んじゃ次は君らの番。列の端っこから順に自己紹介お願いします。」


先生の合図で先頭の春空から立って紹介を始める。


全員が終わる頃には、拍手の音も小さくなっていた。


「ねぇ、ちょっと疲れたよね。」


そう話しかけてきたのは、前の席の上田(うえだ)君。


「だね。これだけ人数いるとね。」


少しだけ茶色い髪は短くて、良い印象を私に植え付けた。


その後も、何度か後ろを向いて話しかけてきた。


「千音って呼んでいい?」


「いいよ。じゃあ…私も…」


「いいよ。朱里(しゅり)で。」


さっき聞いた名前なのにもう忘れてた。


教卓に少し体を預けて話す先生が気になってばかりで。





< 268 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop