ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「あ…。雷、寝ちゃった?」


「はい。そうみたいです。」


男子陣が楽しく本談議に花を咲かせている間、私たちは恋話をしていた。


というか…相談?


「希望さん、恋って…綺麗な気持ちばかりじゃないですよね…。」


今日、感じたあの気持ちが何だったのかすごく気になっていた。


「当たり前よ。ていうか、自分の好きな人が他の人といて嫉妬しないほうがおかしい。それは恋じゃない。」


嫉妬…か。


「恋ってね、綺麗な感情ばかりじゃないの。」


「そう…なんですか?」


「もちろん。漫画みたいな『あの人が幸せなら私はそれでいい』なんてありえないからね。」


「確かに…。」


分かりやすい例だと思った。


好きな人を幸せにするのは、自分がいいに決まってる。


「少なからず、そういう感情は持つものよ。誰だってね。」


「…ありがとうございます…。何か、相談に乗ってもらって。」


「いいのよ。私だって楽しかったわ。」


そろそろお暇するね。と言って、頼れるお姉さんは帰っていった。

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