ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
静かに涙を流す優を見て、私が今までどれだけ酷いことをしてきたかが一瞬にして分かった。


「ごめん…信用してないみたいなこと…しちゃって」


信用してなかったわけじゃない、怖かったんだ。


大切な人に…捨てられるのが。


こんな事を言って、また仲間外れにされるようなことが起きるんじゃないかって。


「優だって…聞いていいことなのかダメなことなのかの区別くらいつくんだよ。そんなにバカじゃない…。言っていい事かダメなことかもちゃんと分かるし!」


『だから、もっと早くに言ってくれても良かったじゃん』


合わせた目から、強い気持ちが伝わってきた。


「ごめんね…優、鈴。」


文化祭の最後のときみたいに、2人を抱き寄せた。あの時よりもっと強く。


「結局は自分が傷つくのが怖かっただけなんだよ。ほんと自分勝手だね、私って。」


もう一人称なんて気にするべき問題でもなんでもなかった。


「自分勝手なんかじゃないよ、千音は。優たちの事…こんなにも考えててくれたじゃん…。」

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