ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「あくまでも、鈴の一意見だよ。」


「うん。」


余程言いにくい事なのか、鈴は懸命に言葉を探しているように見えた。


「お母さんに…自分のことどう思ってるのか、訊いてみたら?」


お母さんに…自分のこと?訊いてみる?


「そんな事…出来ないって…」


どうせまた新しい男の人を連れ込んでるに決まってる。


私が余計なことを言ったら、また癇癪を起こすに決まってる。


「それが出来ないんなら、帰るのなんて止めたら?」


鈴が少しトゲのある言い方をしたのは今日が初めてだ。


「千音が家を追い出された理由を聞いて、無性に腹が立ったよ。
そんなとこに帰って、また千音が傷つくような事に…なってほしくないだけ。」


何て、鈴の小さなワガママなんだけど。と付け足して、また窓の外を見つめる。


「千音、何でそんなに帰りたいの?」


「それは…、」


優からの問いかけにすぐ答えられなかった。





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