ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「先生に…いつまでも迷惑かけたくないから…。」


「ほんとに先生が迷惑がってると思ってんの?」


「……。」


そればかりは分からない。はっきりと断言できるものじゃない。


「迷惑だったら、とっくの昔に追い出してるって。」


吐き捨てるように鈴が言った。


「あんな環境で育ってたから、千音は卑屈な考え方するようになったのかな。」


ボソッと呟いて、椅子から立ち上がった。


「だから、一回お母さんに会ってみなって。」


「…うん。」


涙声になりそうなところを、必死に我慢する。


「悲劇に身を投じるか、喜劇に身を投じるか。今なら選べるから、頑張れ。」


「分っかりにくい言い方するんだから…鈴は…」


「それが鈴ですから。」


えっへんと自慢げに胸を叩く。


優もくすくす笑ってる。



『幸せになりなよ』



鈴はそう言いたかったんでしょ?
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