ワケあって、イケメン先生と同居始めます。
「忘れてないもんだなー、意外と。」


一年ぶりに通る道。


一年前に、一心不乱に走ったっけ。


色々あったなと思い返しながら歩くも、少し緊張が混じっていた。


「ちゃんと話…聞いてくれるかな…。」


何で帰ってきたの、とか言われたら立ち直れる気がしない。




足を進めていくと、工事の音が耳を掠めるようになった。


(前にあった建物…結構無くなってる…)


と、一抹の不安が頭をよぎる。


知らない間に歩幅は大きくなり、歩くスピードも速くなっていった。


「はぁ…はぁ…。」


息が切れてきたその頃、


「あれ…無い……」


周りより少し古ぼけたアパートが無くなってる。


いくら私が高校に入るときに引っ越したからって、場所は忘れない。


「何で…無いの…?」


携帯を見てみるも、母親からの連絡は二年前で途切れていた。





「本気で…捨てられた…か。」







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