チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「あ……」
目の前にはsourire de l'ange 【スリール ド ランジュ】のケーキの箱があった。
その瞬間、待っててくれてるみんな顔が頭に浮かんで。
こんなことしてる場合じゃない……。
あたしはすぐにそのケーキの箱を持って立ち上がった。
早く、早く帰らないと!みんなが待ってる!
あたしはその部屋から出ると、帰る道を探すために走り出した。
すぐに人は見つけることができて、話しかけようと思ったんだけれど……。
目の前にぞろぞろと歩いている人たちはフードはしていないけど意識を失う前に会った時の人と同じように制服の上に黒いローブを着ている人たちでいっぱい。
そして、あたしの着ている学校の制服を見て、「なんでこんなところにいるの?」「あなた誰?」と声を掛けてはこないけど、そんな表情をみんなしている。