チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
その瞬間に先生が2人に……なった。
「わっ!本当になった!」
思わず声が出てしまった。
2つに分けたからといって両方が同じ動作をするのではなく、
先生は実際にミルクレープを作る方と説明する方に分かれてやっている。
「ポイントはフライパンを1度濡れたふきんにあてることね。
当てないとフライパンが熱すぎて生地が焦げますよ」
そして作業に入る前に、ミルクレープを作っていた方の先生が
「ここで分身の魔法を上手に使えた人は来週のケーキコンクールにアシスタント役で分身を使って出るのもありよ!」とウィンクをしながら言っていた。
周りでは「それいいな」「2つの作業が進むってことは時間も半分になるしな!」と先生の提案に乗り気みたい。
「では制限時間、片付け含めて1時間。はじめ!」
大きめのアレット先生の声で、ざわざわした空気が一気に締まって、生徒たちは早速作業を始めた。