チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
部屋のドアを開けて、階段を足が動くまま駆け下りて外に向かって走り出す。
走って、走って、寮のドアを開くと……
そこは真っ青な雲ひとつない空があたしを待っていた。
すぐそばにある芝生に寝転びながら目を瞑る。
あたしは自由になったんだ。
元に戻れるまでは傍観者をしながらずっと過ごせばいい。
ケーキコンテストでは平等にみんなの応援をしよう。
「……翔斗の鬼のような特訓から本当に解放されたんだ」
もうあんな罵声を浴びなくていいと考えたら、嬉しさが沸き起こってくる。
もう遅くまで起きたり、頭に教えてもらったことを詰め込まなくてもいいんだ。
あたしは空に向かって両手を伸ばした。