チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



「うん!」



あたしは彼の手を取って、調理室の中に入った。



尚くんはあたしのためにどこからかスリッパを持ってきてくれて、調理台が他に空いてないからここで一緒にやろうと言ってくれた。



「ホイップクリーム上手に作れるようにならなきゃ!」



よーし!



腕捲りをして、石鹸を使ってよく洗うと早速準備をしようとした。



だけど尚くんはうーんと隣で唸っている。



「翔斗のところにあとで戻るにしても、ただ戻ったらつまらないよね。



だったら…ホイップクリームを完璧にしてアイツをびっくりさせてやろう!」



「えっ、うん!」



「まずさ、もしかしたら翔斗に聞いたかもしれないけどホイップクリームには



塗り用、絞り出し用、流し用があって用途によって混ぜる時間や生クリームも変わってくるんだよ」



それでどれをマスターしたいの?と聞きながら手際よく尚くんはポンポン材料を出し始めた。



< 129 / 247 >

この作品をシェア

pagetop