チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「うん!」
あたしは彼の手を取って、調理室の中に入った。
尚くんはあたしのためにどこからかスリッパを持ってきてくれて、調理台が他に空いてないからここで一緒にやろうと言ってくれた。
「ホイップクリーム上手に作れるようにならなきゃ!」
よーし!
腕捲りをして、石鹸を使ってよく洗うと早速準備をしようとした。
だけど尚くんはうーんと隣で唸っている。
「翔斗のところにあとで戻るにしても、ただ戻ったらつまらないよね。
だったら…ホイップクリームを完璧にしてアイツをびっくりさせてやろう!」
「えっ、うん!」
「まずさ、もしかしたら翔斗に聞いたかもしれないけどホイップクリームには
塗り用、絞り出し用、流し用があって用途によって混ぜる時間や生クリームも変わってくるんだよ」
それでどれをマスターしたいの?と聞きながら手際よく尚くんはポンポン材料を出し始めた。