チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
周りを見てもここがどこかすら分からないから右に行ったらいいのか、左に行ったらいいのかも分からない。
目の前に見えるのは大きな門だけ。
空を見上げると、大きな雲で覆われていてしとしとと雪が降り始めていた。
「いったいどうしたら……」
この場に立ってるわけにも行かなかったあたしはとりあえず宛もなくケーキの箱を持って歩き出した。
どうやったら家にたどり着けるんだろう。
あの黒いローブの人が言っていたように本当に帰れなかったら、あたしはどうなっちゃうんだろう。
スマホを取り出してもここは圏外で誰にも連絡を取ることすらできない。
このままお家に帰れないまま、あたしは死んじゃうのかな。
「寒いよ……っ」