チョコレートプリンス*きみだけをずっと*

翔斗のキモチ

寮まで走って戻ってきて、部屋のドアノブに手を掛けるとあっさり開いた。



だけど、部屋の中はドアを閉めると真っ暗になった。



鍵が空いてるってことは翔斗はいるんだよね？



「翔斗？いるんでしょ？」



少し大きめな声で彼の名前を呼ぶ。



そして手探りで廊下の電気のスイッチを探す。



でもこの辺だと思うのになかなか見つからない。



「…………。」



「ねぇ、翔斗？本当にここにいないの？」



もしかして驚かそうとでもしているの？だから返事してくれないの？



そんな風に考えていた瞬間だった。どこからか出てきた誰かに抱きしめられたんだ。