チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



「お父さんも怒鳴ってごめんな。お父さんはさ、ただみんなで山を登り切りたかっただけなんだ。



家族っていうのはケンカしたって、嫌いだと思ったって、切っても切れない関係。



みんなで家にいるのも楽しいけど、こうして外に出てやり遂げればより絆だって深くなる。



だから2人が大きくなって忙しくなる前に、じいちゃんやばあちゃんが元気でいられるうちにみんなでいる時間を大事にしたいんだ。



って言ってもお前たちには分からないか!」



ははっと笑うお父さん。



妹は頭に?を浮かべていてあまり理解していない様子。



でもあたしは……



「未桜には分かるよ!」



本当は半分くらいしか分からないけど、いつもこんな長く話してくれたことがなかったからとっても嬉しくてそう答えちゃったんだ。



それからお父さんは突然、不慮の事故にあってこの世界に行ってしまったけれど、あの山登りの思い出は絶対に忘れたくない。



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