チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「では次に星条くんお願いします」
審査員の先生たちは口直しに水を飲むと、翔斗の方に目を向けた。
「俺の初恋のケーキはショートケーキです。
このケーキは当時作ったクリームと苺を切っていれたシンプルなものではなく、
恋をして感じた切なさ、つらさをフランボワーズソースで
そして逆に喜びや嬉しさをいちごといちごクリームで表現しました。
当時、初めて会った彼女にとっては失恋ケーキかもしれませんが、
俺にとってそれが恋がはじまった瞬間で、知らなかった気持ちをいっぱい知ることになったきっかけになったものです」
先生たちはプレゼンが終わると、翔斗の作ったケーキのそばに行き試食を始めたんだ。
その後、時間を取って優勝のケーキの協議が始まり、その間あたしたちは片付けをしながら待っていた。