チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「教えてやるよ。そんな無駄な感情を持ってる限り、たとえお前が首席だろうと俺には勝てねぇんだよ!“グラス ゲルン”」
隙を突いてきた尚くんは氷の魔法を発動させた。
立ち向かってくる氷の壁に、翔斗は両手を大きく広げて『“フラム ブリュレール”』と唱えた。
その瞬間バチバチと音を立てて、あたしたちの前には高い高い炎の壁が現れた。
その炎は翔斗に隠れてるあたしでさえも熱さを感じるほどで、もしも触れてしまったらやけどだけでは済まないじゃないかってくらいだ。
燃えだす炎はどんどん尚くんの作り出した氷の壁を溶かしていく。
だけど、尚くんはあたかも展開を予想していたかのように、余裕で身を翻して避けていた。
「ははっ、いつまで未桜ちゃんを守りながらそうやって戦っていられるかね。
今まで常に2番しか取れなかった俺の屈辱、周りからの同情の視線、辛さ、全部全部思い知れ。
“オプスキュリテ”」