チョコレートプリンス*きみだけをずっと*



真っ黒な闇があたしたちを覆うように近づいてくる。



尚くんは自分の本当の感情を隠すようにうっすら笑みを浮かべながら、翔斗の反応を待っている。



「“リュミエール”そんなことないだろ!一生懸命頑張ったのに屈辱なんて言うなよ!1番取りたい気持ちは俺だって同じだ。



俺だって、学園長の息子として恥じないよう尚に負けないように必死だった!」



「“フォール リュミエール”」



さらに翔斗は呪文を唱えて、光を照らす魔法をかけた。



1回目に唱えた時よりも、2回目の方がより闇に向かって光が照らされてさすがの尚くんも悲痛な叫びをあげた。



「“フォール オプス……”あああぁぁあ!」



立ち崩れる尚くんを見て、これで終わりだと思って、あたしはホッとした。



尚くんも元の尚くんに戻ってくれたって。



あたしはそっと翔斗の制服の袖を離した。



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