チョコレートプリンス*きみだけをずっと*
「あのもしかして……」
あたしがそう言いだすと、学園長先生は自己紹介をしてくれた。
「遅くなったね、私はこのスターリッジ学園の学園長、星条冬樹(せいじょうふゆき)と言います。
こっちは一人息子の翔斗(しょうと)で、おそらく向こうのケーキ屋で会った店長が私の弟。
私とは双子なんだ。だから君の言葉ですぐに弟にも会ったってわかったよ」
「すみません、いきなり失礼なことを口走って」
そうだよ、あたしいきなり会った学園長先生になんてことを……。
でも怒ってはなさそうで良かった~。
「それからね、今後のことについてなんだけど……」
そう言いだした学園長先生の表情はどんどん暗くなっていったのが分かった。
そしてそれで悟ったことは“すぐには家に帰れない”ことだった。